坐骨神経痛と梨状筋の関係

梨状筋は股関節のインナーマッスル。深層外旋六筋の一つであり、仙骨に付着する唯一の筋肉です。仙腸関節にまたがるので、股関節の安定や正しい姿勢・歩きにはとても大切な筋肉です。

 

梨状筋の主な働きは4つあります。

 

1 股関節の安定

他の外旋六筋と協力して骨頭を臼蓋に引き寄せる働きをします。その結果、股関節が安定し、様々な動作をスムーズにさせる役割を担います。

 

※股関節には臼蓋という受け皿があり、大腿骨の先端の骨頭がうまくおさまるような仕組みになっている。

 

2 股関節外旋と内旋

つま先を外側に向ける動き(外旋)、足を固定して体(骨盤)を回旋させる動きで活発に作用します。しかし、実は腰(腰椎)はあまり回旋運動をしません。

では、なぜ腰が回るかというと、代わりに左右の股関節が回旋するからです。

股関節の安定があってこそしなやかな動きができるということを表しています。

 

3 仙骨の制御

梨状筋は仙骨の可動性を制御していています。

立位前屈で骨盤が傾いていく時に、仙骨を支えながら位置を調整してくれます。反対に言えば骨盤を起こして重心を後ろにとどめる(骨盤の前傾を防ぐ)ように微調整をしています。

 

4 仙腸関節の安定と動きに作用

仙腸関節は走ったり、歩いたりする時には『動き』に作用し、体重を支える時は『安定』に作用します。

例えば歩く時、足に体重が乗っていると仙腸関節を引き締めて安定し、振り出す方の足では動きをサポートして、左右がうまく連動するように調和をとります。

このように仙腸関節は動きのなかで「安定」と「動き」を同時にはたらかせるもので、仙骨は側屈と回旋をしながら歩いている時の負荷を効率的に伝える支点のような役割を果たします。

※仙腸関節と仙骨の関係:人間は、ほぼすべての動作で骨盤(仙骨)を介することになります。とくに物を取るために屈む動作や背筋を伸ばす動作、階段を上るために足を上げ下げする動作では仙腸関節を中心に連鎖します。

そのため仙腸関節に歪みがあると動作が上手くできず、頚椎、胸椎や腰椎から股関節といったあらゆる部位に負担がかかってしまい痛みを生み出す要因となってしまいます。

以上のような働きがあるのですが、これは梨状筋に十分な収縮力としなやかさがある場合です。

 

梨状筋の機能が不十分ですと姿勢や歩きに様々な支障がでてしまいます。

例えば、梨状筋が硬くなりすぎる(拘縮する)場合、筋肉は短縮し肥厚します。そうなると、坐骨神経を圧迫する要因となるのです。

逆に、梨状筋が緩みすぎると仙腸関節が過剰に動きすぎてしまうので安定性を保ちにくくなります。

 

大事なことは収縮もできて、緩むこともできるというバランスです。

筋力トレーニング、ストレッチを、自分の梨状筋の状態に合わせてバランスよく実施すると良いでしょう!