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膝が曲がる原因の3パターン

立っているときや歩くときに膝が曲がってしまう方を見かけます。

私もその一人でしたし、今でも気が抜けると曲がるときがあります。

膝が曲がったまま歩いたり立っている状態が長く続くと、膝に負担がかかったり、体重移動に不安定さが生じ、転倒のリスクも高くなります。

また見た目もあまりきれいではありません、特にヒールで歩くときに顕著です💦

 

 

自分自身の解決のためにも、今回は『膝が曲がる原因と解決法』について調べてみました!


膝が曲がる原因

膝が曲がる原因として、よく「大腿四頭筋を鍛えて、膝を伸ばす!」ということが挙げられますが、それだけではありません。

歩行のどの時期に膝が曲がるかによって、どこの部分の筋肉が使えないのかは変わってきますし、それによって対策方法も異なります。

 

ここでは、一番臨床で使用される歩行周期の「ランチョ・ロス・アミーゴ方式」に基づいて説明していきます!

膝が曲がる原因は大きく3つの時期に分けて考えます。そう、『立脚期』の歩行動作が正しく行えているかが重要なのです。

Mst(ミッドスタンス)』:図の左から3番目

Mstより前(ICからLR)』:図の左から1番目と2番目

Mstより後(TstからPsw)』:図の左から4番目と5番目

 

この3つのどの時期に膝が曲がるかによって、原因と対策は異なるのです。


その1:『Mstの前』

この時期は踵から着地し足裏全体がつくまでの時期です。

身体の衝撃を吸収し、前にスムーズに身体を移動させる役目があります。

この時期に膝が曲がる…つまり、一歩足を踏み出したときに膝が曲がる方は、下記の2ポイントをチェックしましょう!

 

     踵から接地ができているか?(背屈ができているか?)

 

     大殿筋が収縮しているか?

 


    踵から接地ができているか?

踵から着地することによって、下腿と足部が前方へ転がり、重心は前上方(約2㎝)に持ち上がります。こうなることで、最小限の力で効率よく歩くことができるのです。

しかし、踵から着地できないと膝関節が前に移動しやすくなるので、膝が曲がりやすくなります。そのような方の歩きの特徴としては、

・膝が曲がるのほかに、

・ペタペタ足音を立てる

 

・体幹を左右にゆらしながら歩行する  などもあります。

では、踵から着地するためには、どの筋肉を使えばよいのでしょう?

それは、『前脛骨筋(すねの筋肉)』なのです。

 

 ここが衰えていると、踵からの着地が難しくなってしまいます。

    大臀筋が収縮しているか?

大殿筋はお尻についている大きな筋肉のことで、

踵から着地した時の衝撃を吸収してくれるという役目があります。そして、上体(体幹)が前に傾き⇒股関節が曲がるのを防ぐ役目もあります。

 

しかし、大殿筋の筋力が低下していると、左下図のように股関節が曲がり上体が前方へ崩れてしまいます。

一方、右下図のように、大殿筋の筋力が低下していても、上体が後方に崩れてしまうこともあります。これは、骨盤が後傾の方に多く見られる特徴です。



その2『Mst(ミッドスタンス)』

反対の足が地面から離れる時期です。このとき、体重は片足で支えています。この時期に膝が曲がる…つまり、体重を乗せているほうの足の膝が曲がってしまっている人は下記の2ポイントをチェックしましょう。

 

『体幹と骨盤がまっすぐか?』

 

『足底のアーチが保たれているか?』

 

・『体幹と骨盤がまっすぐか?』

体幹と骨盤が床に対して垂直にあることで、膝は曲がりにくくなります。

 

そのためには、「中殿筋が機能していること」が重要です。

・『足底のアーチが保たれているか?』

足底のアーチは主に3つあります。「内側縦アーチ」「外側縦アーチ」「横アーチ」です。

このアーチが崩れると着地が不安定になり、膝のアライメント(配列)に異常を引き起こします。例えば、小林ら5の研究によると、内側縦アーチ低下が下腿内旋運動を増強し,膝関節アライメント異常を引き起こすため、内側型変形性膝関節症を引き起こすと推察しています。

 また、アーチが崩れる=偏平足になりやすく、これは外反母趾や内反小趾を誘発します。

 

 このアーチを支えるには、様々な筋肉が関与していますが、代表的な筋肉としては4つ。

アキレス腱側から内くるぶしの下を通り、舟状骨を真下から支えているのが「長母趾屈筋(ちょうぼしくっきん)」と「長趾屈筋(ちょうしくつきん)」。長母趾屈筋は親指へ、長趾屈筋は残りの4本へとつながり、足底のクッションの役割を果たします。

 

そして、すねまでつながる「前脛骨筋(ぜんけいこつきん)」と「後脛骨筋(こうけいこつきん)」。これら4つの筋肉が、きちんと働いていれば土踏まずはしっかりと形成されますが、だらんと力を失うと扁平足になります。


その3:『Mstの後』

 反対の足が踵で着地してから、つま先が地面から離れる時期です。

 MStで正しい動きをしていれば、下肢は骨盤が前方に進む慣性を利用して、筋活動がなくとも、勝手に足首を支点に下肢全体が前に倒れていきます。

 この時期に膝が曲がる…つまり、二歩目を踏み出したときの後ろ足の膝が曲がる方は、下記の2ポイントをチェックしましょう!

 

 

 ・『下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)が収縮しているか?』

 ・『股関節がしっかり伸展しているか?』

 


・『下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)が収縮しているか?』

 

 ふくらはぎの筋肉が収縮しながら、つま先(正確には足の中指あたり)で離れるぎりぎりのところで膝は伸びていきますが、この収縮が不十分な場合、膝は曲がります。

・『股関節をしっかり伸展しているか?』

 

 股関節(腸腰筋:大腰筋+腸骨筋)が十分に伸展されず屈曲することでも膝が曲がります。


まとめ

歩行の時期別に膝曲がりの原因をお伝えしました!

 

一つだけが原因ではなく、複数の筋肉がうまく機能しないことで生じることが多いので、日々の生活や歩行を見直しできるとこから少しずつ使えるように意識してみましょう!

【参考・引用】

1 吉村茂和ほか.『健常人における膝折れ状態の検討』運動整理8285-901993(2020.1.20アクセス)

  https://www.jstage.jst.go.jp/article/rika1986/8/2/8_2_85/_pdf/-char/ja

2 シリーズ3:膝折れの原因を考えよう!(2020.1.15アクセス)

  https://note.com/bridgeplusaichi/n/nc80bc1d40733

3 歩行分析~観察すべきポイントと臨床でよくみる異常現象のまとめ~(2020.1.15アクセス)

  https://pt-matsu.com/gait-analysis/

4 臨床経験10年目が語る歩行分析〜正常?異常?歩行周期に何をどうみる?〜(2020.1.20アクセス)

 https://reha-basic.net/gait-3/

5 小林純、山崎貴博.「若年者の足部内側縦アーチの低下が膝関節バイオメカニクスに及ぼす影響」、公益社団法人 日本理学療法士協会、理学療法学Supplement 2013(0), 1218, 2014

6 足裏の筋肉を鍛えて扁平足、外反母趾を解消(2020.1.16アクセス)

 https://style.nikkei.com/article/DGXNASFK1601K_W2A011C1000000?page=2